〔妊活（プレコンセプションケア）の概要〕
pre（～の前）conception（受胎）care（援助・配慮・管理）
妊活は将来の妊娠を想定し、女性（カップル）がご自分（たち）の生活や健康を前向きに考える活動です。現在の体調に応じた適切な管理や治療の方法を知り、健康的な生活習慣を取り入れ、①ご自分やパートナーがより健康になり、②妊娠や出産に至る機会を増やし、③ご自分やパートナーが将来的により健康であり続ける未来を目指します。
女性は自分の心身を維持し、妊娠を許容できる場合に排卵して周期的な月経を起こし、妊娠を許容できない場合に排卵を止めて妊娠を回避する調節機能を有します。妊娠したい時期は人それぞれです。妊娠がリスクになる体調を承知で妊娠を目指す場合・妊娠のリスクを避けて調整する場合・妊活と不妊症診療を同時進行する場合があります。
一般的なブライダルチェックが「診察時点の健康状態の把握」であり、妊活は「診察時点の健康状態をもとに未来の理想的な体調を目指す管理や治療」という現在進行形のベクトルです。妊娠可能年齢に達した全ての男女に大切なこの活動を、適切なカウンセリングと網羅的な検査結果を踏まえて実行に移してはいかがでしょうか？
・将来の妊娠に向けて何か対処（注意・準備・治療）したい
・今は妊娠を希望しないが妊娠に問題ない健康状態かを知りたい
・婚約するのですぐに（〇年以降に・〇年以内に）妊娠したい
・女性年齢35歳未満かつ
避妊のない性交をしているが一年（以上）妊娠しない
・女性年齢35～39歳かつ
避妊のない性交をしているが半年（以上）妊娠しない
・明確な不妊症のリスク因子がある
| 女性因子 | 男性因子 |
|
・40歳以上
・性機能障害
性欲低下・性嫌悪症 性交痛・腟けいれん ・月経周期異常・無月経
・子宮筋腫・子宮腺筋症
・重症子宮内膜症の既往
・骨盤内炎症性疾患の既往
・卵巣や卵管の手術既往
・化学療法・放射線治療
・他の男性と不妊歴がある
|
・40歳以上
・性機能障害
性欲低下・性嫌悪症 勃起障害・射精障害 ・成人発症ムンプスの既往
（＝おたふくかぜ） ・陰嚢や精巣の手術既往
・化学療法・放射線治療
・男性型脱毛症の治療中
・有機溶剤の取り扱い習慣
・他の女性と不妊歴がある
|
・２回以上の流産・死産・生後一週間以内の新生児死亡を繰り返している（連続している必要はありません。）
〔妊活外来の流れ〕
１）妊活（プレコンセプションケア）カウンセリング（初診）
女性の生理周期や基礎体温の変化、妊娠成立の仕組み・妊娠に必要な要素・妊娠に重要な生活習慣に関する基礎知識を共有します。現在の体調だけでなく、栄養状態・嗜好・合併症・既往歴・家族歴（遺伝性素因）・ワクチン接種歴・性行為感染症罹患歴・職業・生活様式（ライフスタイル）・生活環境・現時点の妊娠計画などを全般的に網羅します。要予約
２）妊活（プレコンセプションケア）検査自由診療
| 基本診察（身体測定・バイタルサイン計測・婦人科診察） | |
| 身長・体重・腹囲測定、体格指数計算、血圧・脈拍数・体温計測、外陰部視触診・腟鏡診・内診（双合診） | |
| 腫瘍関連検査 | |
| 細胞診 | 子宮腟部細胞診 |
| 子宮内膜細胞診 | |
| 頸管粘液検査 | HPV（ヒトパピローマウィルス）核酸検出（簡易ジェノタイプ判定） |
| 血液検査 | 腫瘍マーカー測定（CA125） |
| 超音波検査 | 経腟法（初交前：経腹法／経直腸法） |
| 女性内科検査 | |
| 内分泌検査 | 卵巣系ホルモン（FSH・LH・E2） |
| 甲状腺系ホルモン（TSH・FT3・FT4） | |
| 乳汁分泌ホルモン（PRL） | |
| 男性ホルモン（テストステロン・遊離テストステロン・DHEA-S） | |
| 卵巣予備能検査（AMH） | |
| 自己抗体検査 | 甲状腺系抗体（抗TPO抗体・抗Tg抗体） |
| 貧血検査 | 血算・フェリチン・Fe・UIBC |
| 肝機能検査 | GOT・GPT・LDH・ALP・γ-GTP・T-Bil |
| 腎機能検査 | BUN・CRE・UA・Na/Cl・K・P・Ca |
| 栄養代謝検査 | T-cho・HDL・LDL・TG・TP・ALB |
| 糖代謝検査 | 血糖値・HbA1c・インスリン |
| 凝固能検査 | PT・APTT |
| 栄養素検査 | 葉酸・25水酸化ビタミンＤ |
| 尿一般検査 | 糖・蛋白・潜血・ウロビリ・尿沈渣 |
| 男性検査 | |
| 一般精液検査 | 精液量・白血球・pH・精子濃度・運動率・正常形態率・精子自動性指数 |
| 性行為感染症検査 | |
| ウィルス検査 | HIV（ヒト免疫不全ウィルス）抗体検査 |
| B型肝炎ウィルス抗原（HBs）検査 | |
| C型肝炎ウィルス（HCV）抗体検査 | |
| 単純ヘルペスウィルス抗体検査 | |
| 細菌検査 | 梅毒定性検査（TPHA・RPR） |
| クラミジア・トラコマティス抗体検査 | |
| 頸管粘液検査 | 淋菌核酸検出 |
| クラミジア・トラコマティス核酸検出 | |
| 検鏡検査 一般培養検査 |
カンジダ属・トリコモナス原虫の同定 腟内細菌叢の評価 |
| 一般感染症検査 | |
| ウィルス検査 ワクチンあり |
麻疹ウィルス抗体検査 |
| ムンプスウィルス抗体検査 | |
| 風疹ウィルス抗体検査 | |
| 水痘・帯状疱疹ウィルス抗体検査 | |
| ウィルス検査 ワクチンなし |
ヒトパルボウィルス B19 抗体検査 |
| サイトメガロウィルス抗体検査 | |
| ヒト成人Ｔ細胞白血病ウィルス抗体検査 | |
| 原虫検査 | トキソプラズマ抗体検査 |
※関連症状がある場合の検査は保険診療です。
※当院は乳がん検診と咽頭の性行為感染症検査を取り扱いません。
※一覧表にない検査をご希望の場合はこちらよりご相談ください。
※青字の検査項目の測定条件にご注意ください。
①月経期に実施できない検査：子宮腟部細胞診、子宮内膜細胞診、HPV核酸検出、CA125測定、尿一般検査、淋菌核酸検出、クラミジア・トラコマティス核酸検出、腟分泌物検鏡検査
②月経期以外に測定条件や生理的変化がある検査
| 子宮内膜細胞診 | 妊娠の可能性がある場合にできません。 |
| CA125 | 月経周期や他科疾患の影響を受けます。妊娠前期に上昇します。 |
| 卵巣予備能検査 | 低用量ピルの服用で低い数値を示す場合があり、服用中止後の検査を推奨します。 |
| 卵巣系ホルモン | 経腟超音波検査で卵巣の遺残卵胞の状態を確認します。月経期の検査を推奨します。 |
| プロラクチン | 食事・運動・睡眠・疲労で上昇します。午前中・安静時・空腹時の検査が理想です。 |
| 男性ホルモン | 朝に高い・夕に低い性質があり、午前11時頃までの検査を推奨します。 |
| 中性脂肪 血糖値 |
食事で上昇します。飲酒なしで食後10時間以上経過した状態の測定を推奨します。 |
３）妊活（プレコンセプションケア）管理計画立案
カウンセリング情報や検査結果を総合して、将来の妊娠を想定した管理計画や治療に活用します。現在の状態で妊娠した場合の、予測される母児の周産期（妊娠中や分娩後）の健康状態や予後（医学的な見通し）を情報提供し、リスクを十分に理解した上で積極的な改善を目指す対応策をご提案します。専門的な検査や治療を要する異常やその可能性が高い場合には同科や他科の専門施設や高次施設をご紹介します。
〔診療案内〕
診療科目：産婦人科・女性内科
診療時間：午前 9:30～13:00／午後 14:30～18:00
診療受付：午前 9:15～12:30／午後 14:15～17:30
| 曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 院長 | 院長 副院長 |
副院長 | 院長 副院長 |
院長 副院長 |
院長 副院長 |
| 午後 | 院長 | 副院長 | 休診 | 副院長 | 副院長 | 休診 |
| 手術 | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | × |
※日曜日・祝祭日と水曜日・土曜日の午後は休診です。
※火曜日の副院長の診療は、福田病院勤務のため休診の場合があります。
※診療担当医の指定をご希望の場合は、受付にお申し出ください。
※診療担当医は全員男性です。当院に女性医師は在籍していません。
※診療費用のご清算は、現金のみ対応可能（キャッシュレス非対応）です。
※多目的トイレ・ウォーターサーバーが利用可能です。
※自動販売機・キッズルーム・公衆電話・敷地内喫煙所はありません。
※授乳やおむつ交換が必要な場合は、受付にお申し出ください。
※一般診療外来は予約患者さま優先です。以下の特殊診療外来をご希望の場合は、ご来院前に電話予約をお願いします。当日予約は応相談です。
出生前遺伝カウンセリング・周産期遺伝相談外来・妊活（プレコンセプションケア）カウンセリング・不妊症カウンセリング・不育症カウンセリング・レディースドック・卵管通水検査・ソノヒステログラフィ・にんにく点滴・子宮内システム挿入・つわりの脱水補正点滴・各種ワクチン接種・胎児性別評価・胎児3D/4D超音波検査
